私はこれまで4回の転職を経て、産業保健師をしています。
産業保健師と言うと??のような感じです。
看護師の資格を持って、かつ保健師の資格を持って働いているということすら知らない方も多いです。
みなさん、産業保健師ってどんな仕事をしているか知っていますか?
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保健師の種類
保健師には「行政保健師」「学校保健師」「産業保健師」があります。同じ保健師でも仕事内容が全く違う異なっています。
⚪︎行政保健師
インターネットで「保健師」と検索すると
「地域に住む住民の保健指導や健康管理、乳幼児検診などを行うことが主な仕事」と書いてあり、
こういった地域で働く保健師のことを「行政保健師」といいます。
保健師をしていますと言うと、この行政保健師を思い浮かべる方が多いようです。
実際に保健師の中でも行政保健師をしている方が多くを占めています。
妊娠・出産をすると関わる方が多いため、その印象を持っているようです。
⚪︎学校保健師
学校に通っている生徒や職員の健康管理を行っています。
学校の保健室に勤務し、怪我の対処など、保健室の先生のような仕事です。
⚪︎産業保健師
会社で働く社員の健康管理や健康維持を行います。
学校でいう「保健室」にいる人、みたいな感じでしょうか。
最近では「健康経営」に取り組む会社が増えており、産業保健師の需要は高まっています。

産業保健師の仕事
産業保健師は会社で働く人の健康管理がメインの仕事です。
①健康診断の結果の確認とその後の対応
健康診断の結果を見て、受診が必要な方には受診してくださいと「受診勧奨」を行います。
特に結果が悪い方には産業医に報告し、「就業不可です」「残業は⚪︎時間までですよ」といった就業上の配慮をお願いすることもあります。
会社には「安全配慮義務」というものがありますから、健康診断の結果が悪い人を普通に働かせて何かあった場合、訴えられたら負けてしまいます。
もちろん、社員に健康に働いてもらう、というのが一番ですが、安全配慮義務違反にならないためにも、必要な対処です。
②職場巡視・安全衛生委員会参加
社内の危険なところがないかを産業医と一緒に巡視します。高いところに物が置いてあり災害の時に危なくないか、災害が起こった際の社内備蓄は足りているか、避難経路を塞ぐものはないか、通路が狭くて通れないところはないか、床に物があってつまずかないか、などなど様々なチェック項目があります。
また、社内の安全衛生について話し合う委員会にも産業医とともに参加します。
残業時間の管理、健康診断の受診状況、休職者の人数、健康コラム、労災の報告などなど、会社の業種によっても異なりますがこう言った内容を話し合います。
③メンタルヘルス対策
また、メンタルヘルス不調を訴える方がとても多くなっています。ただ、まだまだ知識がない人も多く、対応に困ることが多いそうです。
こういう時に産業保健師が介入し、面談を実施したり、産業医との面談を設定したり、必要な方には病院をピックアップしたり、といった対応をします。
休職した方には、復職に向けた面談を行い、スムーズな復職に繋がるよう支援をします。

④健康経営
近年「健康経営」に取り組む会社が増えています。
「健康経営」への熱量は様々ですが、熱量を持って取り組む会社だと、産業保健師の出番が増えます。
健康経営とは社員の健康管理を経営的な視点で考え、健康に投資をすることで結果としてそれが会社の利益になる、という考えです。
体調不良な人が多いと、それだけ会社としては損害が出ています。
皆さんは体調が悪いけど薬を飲んで働いた、眠くて作業効率が上がらない、といった休むほどではないちょっとした体調不良で仕事の効率が下がっていると感じたことはないでしょうか。こういった休むほどではない体調不良を「プレゼンティーイズム」と言って、会社に大きな損害をもたらしていると言われています。
こういった人を減らし、元気に働いてもらえれば、全体的な生産性が上がりますし、残業が減ります。離職率の低下につながります。離職率が下がれば、新しい人を雇う予算も減りますし、新しい人が慣れるまでの期間も無くなります。
結果として損害が減って利益が増えているということになります。
このような取り組みを支援するのが産業保健師です。
⑤ストレスチェックの実施
ストレスチェックは50名以上の社員がいる会社には1年に1回の実施が義務付けられており、ストレスがどの程度かをチェックするものです。
この準備・実施・事後措置を産業保健師が担うことが多いです。
特に事後措置がとても大切で、ストレスチェックの結果「ストレスが高い」と判断された方には産業医との面談を受けませんか、とお勧めします。
また、ストレスチェックの結果を分析して、問題点が少しでも解決できるようアプローチしたり、逆に強みをもっと伸ばせるようにしたりします。
⑥健康増進イベントの企画
ウォーキングイベントや健康セミナーなどの健康増進のためのイベントを企画し、実施します。
しかし、これは会社の熱量によるところが多く、予算がないとできないこともあるため、様々です。
会社の経営層に働きかけて健康イベントに辿り着けた、という産業保健師の話を聞くことも多く、産業保健師としての熱量もとても大切になります。
⑦そのほか色々
私の勤めているところでは、そのほかにも学会で発表するための研究、毎月の健康コラムの作成など、その時によって様々なことをおこなっています。

産業保健師になるためには?
そもそも保健師になるには看護師の資格が必要です。
大学であれば看護師と保健師の国家試験を同時に受験できることころもあります。
そして産業保健師になるためには、とにかくこまめな求人チェックです!
産業保健師は求人が少なく、人数も多くありません。
前任者が辞めたタイミングで募集が出ることが多く、しかも経験者しか募集していないことも多いです。
私は産業保健師になりたいと思った時、未経験で応募できる求人が少なく、正社員の求人は一握り、一体どこで未経験を脱却すればいいの?と悩んだこともあります。
しかし、こまめに求人をチェックし、いいと思ったところに片っ端から応募して、産業保健師になることができました。
求人を自分だけで調べるには限界があるため、転職サイトを活用しました。産業保健師になりたいことを伝えておくと、産業保健師の求人がでたらすぐに教えてくれます。
正社員の求人は本当に貴重なので、まずは派遣や契約社員の求人でもいいので、とにかく産業保健師の経験を積むことが重要です。
落ちることは当たり前と思うこと
産業保健師はなりたい人の人数に対しての求人が少ないです。実際に求人をチェックしていると、同じ求人がずっと出ているということはほとんどありません。
先程も書きましたが、未経験で応募できる求人なんて本当に少ないですし、未経験可、と書いてあっても経験のある人がいたらそちらを採用することが多いです。
もちろん1回の応募で合格したい、という気持ちはよく分かりますが、産業保健師の場合、そうはいかないことも多いため、「落ちることは当たり前」と落ちる前提で挑みましょう!
諦めずに転職活動を進めていれば、きっと良い求人に出会うことができるはずです。
恥ずかしながら、私も何度か不採用となりました。
不採用となると落ち込みますが、何度も挑戦して産業保健師になることができました。
しかも転職4回目なのに!
4回の転職についてはこちら↓>5年で4回転職しました。それでも希望の職場で働くことができています
産業保健師になるためにおすすめの転職サイト
看護師の転職サイトはたくさんありますが、「産業保健師になりたい」と伝えると、いい顔されないことも多くあります。
「未経験で応募できる求人はありませんよ」と言われたこともあります。
きちんと対応してくれた転職サイトもありましたので、おすすめの転職サイトを紹介します。
転職サイトは利用は無料、複数登録しても良いので、少なくとも2つ以上のサイトに登録することをおすすめします。
⚪︎ジョブメドレー

ジョブメドレーは求人数が看護師転職サイトの中で最大級で、種類も豊富です。看護師以外の求人を多く扱っているため、産業保健師になりたい、病院以外で働きたい、と考えている方にはとてもおすすめです。また、「サーチ型」と言って、自分で求人を検索して転職活動を進めていくタイプですので、情報収集には最適なサイトです。自分のペースで転職活動を進めることができるため、とりあえず登録しておくことをお勧めします。
⚪︎看護のお仕事


レバウェル看護(旧看護のお仕事)も大手ですので、求人数も種類も豊富です。不規則な勤務形態の看護師に嬉しい24時間対応、LINEで連絡を取ることもできます。安心して転職活動のサポートを任せることができます。また、レバウェル看護には派遣専用の転職サイトもあるため、派遣に興味がある方は【看護のお仕事派遣】

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